サビの発生を防ぐ皮膜形成の加工
金属製品はそのまま使うと次第にサビが発生して傷んでしまいます。目に見えないほどの微小な傷から金属を腐食させるサビが発生することが多いので、良好な状態を保つには表面を保護する加工が欠かせません。リン酸処理はリン酸鉄やリン酸マンガンなど、リン酸塩の溶液を塗布して金属製品に皮膜を形成させる化成処理です。溶液の作用で金属製品の表面がわずかに溶解し、その溶液が乾燥することで均一な厚さの皮膜が形成されます。この皮膜は外部からの衝撃に強く、表面の傷を埋める作用もあるのでサビの予防に役立ちます。また、つや出しの効果もあるので金属製品の見栄えを良くするならリン酸処理が最適と言えるでしょう。
金属製品の耐用年数を長くする効果がある
金属製品の劣化はその多くが表面に生じたサビが原因です。サビによって金属が腐食し、耐久性が大きく損なわれます。特に工業用の機械類は耐久性が低下すると重大な事故を引き起こすそれがあるので、機能に問題が無くても新品に交換しなければいけません。そのような事態を避けるためにも金属製品のメッキ加工は重要な作業と言えます。リン酸処理は約60度ほどの低温で行うことができるのでメッキ加工の中では作業しやすいのが特徴です。また、金属への影響も少ないことから様々な製品のつや出しに用いられています。メッキ加工によって表面に傷が付きにくくなるのでサビが発生せず、耐久性の低下を予防できるのが大きなメリットです。リン酸処理で形成された皮膜は頑丈で長持ちしますが、金属製品の品質を保つためには定期的に処理作業を行って新しい皮膜を作る必要があります。
リン酸処理とは金属の表面処理加工の一種でリン酸亜鉛処理とも呼ばれます。錆が発生しやすい屋外での金属素材に対し行われることが多く、錆びにくくなるほか補修が必要ないことが特徴です。